園田義明『隠された皇室人脈』(講談社+α新書、2008年5月20日)
前著『最新アメリカの政治地図』(講談社現代新書)はアメリカの経済人脈を徹底的に調べ上げ、そのネットワークから政治力の源を探るという試みだった。今回の『隠された皇室人脈』は皇室のキリスト教人脈から戦後日本政治の中核に迫ろうとしている。
園田さんは「国際戦略コラム」と「萬晩報」で長期に渡り、国際関係論を中心に執筆してきた市井のサラリーマン。もちろん本名である。とにかく読書量が並大抵でない。前回の『最新アメリカ政治地図』の印税はほとんどが本代に消えたというから大変なものである。
ネット社会はこうした市井のサラリーマンを言論人に育て上げる機能を果たしてきた。素人のネット小説が出版界を潤す時代であるから、言論人を生んだとしても不思議でない。
前著『最新アメリカの政治地図』(講談社現代新書)はアメリカの経済人脈を徹底的に調べ上げ、そのネットワークから政治力の源を探るという試みだった。今回の『隠された皇室人脈』は皇室のキリスト教人脈から戦後日本政治の中核に迫ろうとしている。
園田さんは「国際戦略コラム」と「萬晩報」で長期に渡り、国際関係論を中心に執筆してきた市井のサラリーマン。もちろん本名である。とにかく読書量が並大抵でない。前回の『最新アメリカ政治地図』の印税はほとんどが本代に消えたというから大変なものである。
ネット社会はこうした市井のサラリーマンを言論人に育て上げる機能を果たしてきた。素人のネット小説が出版界を潤す時代であるから、言論人を生んだとしても不思議でない。
賀川豊彦『空中征服』(日本生協連、1981年1月10日)
大正11年に大阪日報に連載したものを同年12月に改造社から出版。出版した月だけでも11版を重ねた。『死線を越えて』がベストセラーになった2年後であるから、評判を呼んで当然だったのかもしれない。
この『空中征服』は、主人公が川の中の生き物と会話をしたり、空中都市が生まれたりするなど奇想天外、荒唐無稽に物語が進む。その点では涙や感動を誘う賀川文学とは軌を一にしていない。大阪の工場から排出するばい煙による大気汚染が限界を超えていたことの業を煮やした賀川豊彦市長が突然、煙筒廃止方針を打ち出し市議会を巻き込んだドタバタ劇が展開する。
公害という言葉さえない時代に大気汚染防止の必要性を指摘した先駆性は大したものだが、それよりも興味深いのは大正末期の日本で賀川豊彦扮する大阪市長が公務員事務の請負制を考え出し、それを実施に移すことである。
小説の中では、アメリカですでに「市政事務引受会社」というものがあることを紹介している。80年前の話である。はたして本当にあったかどうか分からないが、発想が実に現代的である。
大正11年に大阪日報に連載したものを同年12月に改造社から出版。出版した月だけでも11版を重ねた。『死線を越えて』がベストセラーになった2年後であるから、評判を呼んで当然だったのかもしれない。
この『空中征服』は、主人公が川の中の生き物と会話をしたり、空中都市が生まれたりするなど奇想天外、荒唐無稽に物語が進む。その点では涙や感動を誘う賀川文学とは軌を一にしていない。大阪の工場から排出するばい煙による大気汚染が限界を超えていたことの業を煮やした賀川豊彦市長が突然、煙筒廃止方針を打ち出し市議会を巻き込んだドタバタ劇が展開する。
公害という言葉さえない時代に大気汚染防止の必要性を指摘した先駆性は大したものだが、それよりも興味深いのは大正末期の日本で賀川豊彦扮する大阪市長が公務員事務の請負制を考え出し、それを実施に移すことである。
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